投資家は米FRBと関税のシグナルを待つ

金相場は1週間半以上ぶりの水準で安定し、水曜日のアジア市場では3284-3285米ドルのレンジで推移した。これは、貿易関税の不確実性が続く中、投資家が慎重になっていることから、金相場が小幅安に固まっているように見えるためである。

米連邦準備制度理事会(FRB)は、パウエルFRB議長がタカ派的なスタンスを 維持していることから、金価格への圧力を維持し、期待形成において支配的な 役割を果たし続けている。金は緩やかに反発したものの、直近の高値を上抜けすることはできず、米国債利回りの上昇とドル高によって勢いは限られた。

同時に、関税による経済への影響への懸念や、ドナルド・トランプ米大統領による新たな関税の脅威など政治的緊張から、投資家心理は依然として慎重である。

ハイライト

  • FRB議事録:
    投資家は、金利政策に関するさらなる洞察を求めてFRB議事録の公表を待つ。利下げが示唆されれば、米ドルを圧迫し、金価格を押し上げる可能性がある。
  • マーケット・アウトルック:
    多くの投資家が米利回りの上昇とドル高を警戒しているものの、FRBによる政策緩和への期待や政治的不透明感は依然として金の支援材料となっている。
  • 米債券利回り:
    米10年国債利回りの上昇が金の上昇を抑え、ドルも2週間ぶりの高値に近いため、金の安全資産としての魅力が低下している。

アジア通貨は水曜日に幅広く下落し、投資家はトランプ米大統領の最近の脅しを受けてさらなる関税強化に備えた。一方、ニュージーランドの中央銀行は金利を据え置いたが、今後の緩和の可能性を示唆し、市場の変動に拍車をかけた。

中国の6月の消費者データは、政府の景気刺激策と貿易摩擦の負担を軽減する努力に助けられ、わずかに改善した。ニュージーランド・ドルは対米ドルで0.3%下落した。


結論

投資家はFRBの次の動きと地政学的動向を注視している。より明確なシグナルが出るまで、値動きは利回りとドル高に制約される可能性が高い。